『もしもし、溝口(みぞぐち)です。』
「あ!雄太(ゆうた)か?兄ちゃんだ。」
でたのは次男の雄太・小5だった。
『兄ちゃん!なにやってんだよ?どこいるの?』
「わりぃ。今すぐ帰るから、『なに言ってるの!?』
俺の言葉をさえぎるように
横から綾菜さんが入ってくる。
『え?だれ?女の人の声がしたんだけど。』
「いや、ちょっと待って。」
一度電話口から顔を離し綾菜さんの方を見る。
「帰るって、なに言ってるの?徹平くん。
そんな状態で帰れるわけないでしょ。」
「大丈夫っすよ。もうだいぶマシになりましたから。」
本当は、まだ全然だるいけど
弟たちの元に早く帰ってやらないと。
「そんなわけないじゃん!」
綾菜さんはそう言って俺の額に手をあてる。
ちょっ・・・・
「ほら、まだ熱い!!」
「・・・・。」
それでも、俺は帰らないと・・・・。


