「徹平くん、苦しそうだったから
全然マシになってないのかと思ってた。」
綾菜さんのこの言葉を聞いて確信した。
「ずっとここにいてくれたんすね。」
「あたりまえだよ!病人を一人で置いておけるわけないじゃん。」
当然のようにそう言ってのける綾菜さん。
俺は、その一人で置いておかれることが普通だったからな。
たとえインフルエンザでも、
自分でタクシーで病院行って
薬もらって
一人で寝ていた。
そのことになんの違和感もなかったし、
共働きの両親への恨みだってなかった。
それが俺の中の当然だったんだけど
こうして、誰かがそばにいてくれるって、すごくいいものだ。
体のだるさは変わらないはずなのに
精神的に救われるせいか、全然違うように思えてくる。
そうだ!
共働きで思い出した!
「弟たち・・・・!!」
閉じかけていたまぶたを
また全開にする。


