「・・・むしゃくしゃするだけだ。」




大輝はそれだけ言うと

速足になった。






むしゃ、くしゃ・・・・?




わたしが声をかけられたら、
大輝はむしゃくしゃするの?





それって・・・・


「大輝、ヤキモチ?」




ピクッ


大輝の体が一瞬静止した。






「ヤキモチ妬いてるの?」




なにも言わず、
さっきよりももっと早いスピードで歩き始める。






「あ、待ってよ!」



置いてかれないように小走りでついていく。





横に並んでも、
わたしの方を向こうとしない。


でも、さっきと同じ。

耳だけは赤い。