「大輝さんに頼まれたんすよ。」
大輝に?
「とりあえず行きましょう。
歩きながら簡単に事情話しますから。
あ、持ちます。」
徹平くんはさっとわたしの鞄を持ってくれる。
「え?い、いいよ!自分で持つよ。」
「いえ。」
にこやかに、でもきっぱりと言われて
「ありがとう・・・」
としか言えなかった。
「綾菜さんには、ピンとこない話だと思うんすけど
最近・・・うちと敵対してる高校の動きがちょっと活発なんすよね。」
・・・・え?
て、敵対?
「なにそれ?敵対って、模試で競い合ってるとか?」
わたしの高校にも、そういう相手はいるから。
でも、動きが活発?
難しく眉をよせるわたしに
少しおかしそうに笑う。
「あっはは・・・・やっぱりエリート校っすね。」
な、なんか・・・
一線ひかれたような。
あなたはわからないでしょ?って言われた気分。


