「徹平くん!!」
わたしが呼ぶと、徹平くんは軽く会釈。
「綾、知ってる人だったの~?」
「うん。大輝の後輩。
どうしたの?」
「いや・・・綾菜さんを、家までお送りしようと思ったんすけど。」
・・・・ええ!?
びっくりしたわたしと
「ふ~ん。」
と意味深に鼻を鳴らす律子。
「じゃあ、あたしお邪魔みたいだし消えま~す!!」
おどけたように敬礼して
そそくさと去っていってしまった。
・・・・もう!
律子ってば、いつも変なところで気を遣うんだから。
もっと別のとこでそういうのは発揮してほしいよね。
それより・・・
「どうして?」
わたしは、疑問を徹平くんにぶつけた。
「どうして、家まで送ってくれるの?」
今までそんなこと、なかったのに。


