振り返り、大きく手を振る千里くんに



驚きつつも、手を振り返した。





「あいつ・・・・」


低く、小さな声で

隣からうなるように聞こえてくる。




「栄一くん?」


「綾菜ちゃん、ちょっと無防備すぎるよ?」



一瞬わたしを睨んで

手の甲でゴシゴシと、千里くんの唇が触れたところをぬぐわれた。



「そんなんだから、いろんな男に取り入られるの。」


「え・・・・?そう?」



栄一くんは大きく頷く。




「はあ・・・。

でも、まあ今回は許そう。
俺も人のこと言えないし。」


あ・・・・。

そこで、でこチューを再度思い出す。







「ほら、俺達も行こう。」

「うん!!」