綾菜ちゃんは、いい子だね。
もう少し悪女になればいいのに。
なれないんだ・・・・。
でも、そんなキミだから
俺は惹かれるんだよ。
「平野、くん・・・・?」
驚いた声が辺りに静かに響いた。
俺が綾菜ちゃんを抱きしめたから。
一瞬にして、バラの香りに包まれる。
そして、こうして抱きしめているだけで
温かくて、そして幸せだ。
「綾菜ちゃん・・・・。」
波の音で、俺の声が届いているのかはわからない。
でも、綾菜ちゃんは俺をみつめている。
潤んだ目。
今にも、もう一粒流れそうだ。
そんなに、自分を責めてはだめだ。
自分を責めるのは
自分を壊すことの前兆。
そんなことはさせない。


