ひとしきり笑ったあと、
平野くんは、ふっと真顔になった。
「俺は、彼女なんてつくんないよ。」
あまりの真剣な声色に
びっくりして、平野くんを見上げる。
でも、すぐにいつものように笑った。
・・・・平野くんも、真剣になったりするんだ。
とちょっと失礼なことを考えてしまう。
そんなとき
「綾菜ちゃん!!」
「きゃっ!!」
次は、平野くんとは違う男の声で呼ばれる。
そして、抱きつかれた。
この声、聞き覚えがある。
「会いたかった~~~~!!!」
声の主はそういいながらさらに強くわたしを抱きしめる。
その光景に
クラス中が唖然とした。


