「あっ!綾菜ちゃ~~ん!!」


軽そうな男子の声がして、教室の入り口を見る。


わたしのこと、"綾菜ちゃん"とか呼ぶ男子は一人しかいないから
別に見なくてもよかった。

「うわ!でたよ、平野くん。」
「噂をすればだね。」
「黙ってればかっこいいのに・・・・」


そこには、大きく手をふっている平野くん。


「なんで、あんな最悪男と

王子様の桐山くんが仲いいの?」


そして、平野くんの少し後ろに呆れながら笑っている桐山くんがいた。


「ホント!桐山くんの硬派さをちょっとは見習うべきだよね~。」


女子の冷ややかな視線にも構わず、
平野くんは笑顔でよってくる。



「綾菜ちゃん、久しぶり!そして、おっはよう~。」

朝なのに異常に高いテンション。

いや、テンション高いのは別にいいんだけどね。

「おはよう。」

「綾菜ちゃん、夏の間にまた可愛くなったね~。」


これが嫌なんだよ・・・・。



「あ、ありがとう。」