「ていうか、夏休みちっとも綾菜と会えなかったよね~。」

「そうだね・・・・。遊びたかった。」

「あたしも!!」

「そういえばさ、知ってる?

平野くん、新しい子と付き合いだしたんだって。」

「うっそ!平野くん、一学期は綾にちゃっかい出してたじゃん?

綾が好きなんだと思ってた!」

「あたしもだよ!」

「なんかね、隣のクラスの子がよく一緒に歩いてるとこ見てるの。

しかも夜!」

「うわ~最悪~。」

「絶対そのまま、ヤっちゃってるよね。」


これだけ女子が集まると、決まってはじまるガールズトーク。

大半が恋バナ。しかも、他人の。

だれかがくっついたとか、別れたとか。


「綾、どー思う?平野くん。

絶対チャラいよね。」


「え~?見た目からそんな感じじゃん?」

「まあ、それもそうか~。」


平野くんといえば、うちのクラスで一番チャラい男の子。


ピアスしてても違和感ないくらい。

こんな風に、いろんな女の子と噂があったりする。

それでも、先生たちに目をつけられてないのは、
やっぱり成績がいいからかな?


いつも、10番以内に名前あるもんね。

あんなチャラ男が桐山くんより上なんて・・・・。

それに、なんか平野くんと桐山くんって仲いいし。



そういえば、桐山くん、結局あれから一回も会わなかったな。


それで安心しちゃっただけに、

今日会うの、ちょっと怖いかも。