唇を離すと同時に、視界が開けた。


でも、恥ずかしくてうつむく。


誰かに見られてたかも・・・

もし、目があったりなんかしたら、もう・・・・

だからとりあえず、誰とも目が合わないように顔を伏せておこう。



「大輝、人、いる・・・・。」

「みんな自分のことで精一杯だろ。」


そう言ってすっとわたしをあごを持ち上げる。


大好きな大輝の顔がすぐ目の前にある。

十分顔が赤いはずなのに、また熱が増した。



「てか、そんなの気にしてたんなら、

なんで突き飛ばさなかったんだよ?」


当然のことをあえて聞いてくるのが大輝。

ホントに意地悪。



いつもは無口のくせに、

こんな、わたしをからかうような時だけは

饒舌になって。



きらい

きらい、きらい。

意地悪な、大輝なんて大嫌い。




わたしは、大輝を睨んで


自分からキスをした。