なんで、今・・・桐山くん?
大輝とのデート中なのに。
他の人のこと考えるなんて、だめだめ!!
「大輝!」
桐山くんの顔をかき消すように
わたしは、大輝の腕にしがみついた。
「綾菜?」
大輝の、わたしを呼ぶ声が好き。
低くて、冷たいのに
なんだか優しくて。
自分がこの人の特別なんだって、思える。
「・・・好き。」
バァン!!!!
わたしの声は、一発目の花火に消されてしまったかもしれない。
花火と同時に沸き起こる歓声。
真っ暗な夜空に咲く、大輪の花。
大輝に、聞こえてなくても別にいいや。
大輝はいつものように振り払わないから、
わたしは遠慮なく、大輝の体温を左に感じながらその花を見上げていた。


