「適当、だね。」



「いいじゃん?適当で。

とにかく、倉持。」



呼びかけると
倉持は首をかしげて応える。





「俺を意識して。俺にドキドキして。

俺を、友達だなんて思わないで。」




まっすぐに見つめて言うと

やっぱり心臓は早くなった。



けど、今までにないくらい清清しい気分。






「じゃあ、もどろう。

みんな心配するし。湯冷めするよ?」




「わたし、まだいい。

もうちょっと整理してからもどりたいから。」





こんな夜に女子を一人で外に置いておくのは気がひけたけど

倉持は意外と頑固だからたぶん、聞かない。




「・・・わかった。」