「わたし、もう桐山くんを友達として見れない気がするの!」
いきなりそう言い放つ。
沈黙の中、なんの前ぶれもなく。
けど、その言葉は
俺にとってはうれしい言葉にちがいなかった。
好きな人に、
友達
と思われているよに、遥かにうれしい。
「もう、わかんないよ。
どうして、こんな気持ちになるんだろう?
桐山くんを、意識しちゃうの。」
つぶやく言葉は、俺の胸を大きく打っていく。
うれしくて
うれしくて
そして、これまでにはなかった期待に胸がふくらむ。
もしかしたら。
って。
倉持の中の、俺のポジションが変わったんだから。
前進ととらえていいよな?


