「わたしは、今まで通りがいいの。 桐山くんと、今まで通りしゃべったりしたいから。」 またよくわからない言葉をつぶやく倉持。 「でも、今のままじゃできない。」 「なんで?」 そう問いかける俺に、びくっと動揺する倉持。 なにも言わず、視線をさげる。 虫の鳴く声が聞こえる。 風が木々を揺らす音が聞こえる。 動物の鳴き声を聞こえそうなこの森の中。 そんな場所での沈黙は、いつも以上に長く感じられた。