「ちがうよ!
別に、あのことは、もういいの。」
確かに、それも原因に少しは入ってるのかもしれない。
あんなにかっこいい人と
間接キスしちゃった
それで、こんなにドキドキしてるのかもしれない。
けど、本当の原因はちがうよ。
「ごめんね。
桐山くんはなにもしてない。
ただ、わたしがなんかわかんなくなっちゃっただけ。」
「わからない?」
彼、桐山くんは恐る恐る視線を向けてくる。
今度は、逸らしちゃだめ。
わたしは彼の目をちゃんと見て頷いた。
「今日、すごかった。
試合してる桐山くん、かっこよかったよ。」
にっこり笑ってみせると
桐山くんは赤くなる。
「なに言ってんだよ。」
それを隠すように笑いながら今度は向こうが視線を逸らした。


