「・・・・惚れた?」
「っは!?」
いきなり耳元でそんな声が聞こえてびっくりする。
見ると、奈々がニヤニヤしてわたしを見ていた。
「な、なに言ってんの?」
「はははっ動揺しすぎ~。」
きゃっきゃと笑いながらも手をとめていない奈々は
やっぱりマネージャーなんだな。
ってそうじゃなくて
「別に動揺なんてしてないもん。」
「そんな赤い顔で言われたって説得力ないよ~?」
視線は記録シートとコートを行き来しているのに
どうしてわたしの顔が赤いのがわかってるんだろ?
自分でもわかる。
頬が熱い。
さっき彼と目が合ってからはなおさらに。


