メイの件で抱えたモヤモヤが消え切っていなかったせいか、ミズキはナナセの言動も悪くとらえてしまっていた。 「……最近ずっと、夕方忙しいみたいだけど、何してるの?」 ついに訊(き)いてしまった。 今までずっと、抑えていたのに。 ナナセはためらうような間を持たせた後、 『……ちょっと、いろいろね』 と、言葉を濁(にご)す。 ミズキの心はズシンと重くなったが、ナナセを疑うような発言はしたくなかったので、何事もなかったかのように電話を終えた。 なんだか、中身のない電話だった気がする……。