“ナナセ君がそう言うのはもっともだよね……。

マナやシュン君にも助けを求めるべきなのかもしれない…。

でも……”

ミズキには、ナナセの助言を蹴る気などない。

心配してくれて本当にありがたく思っている。

けれど、本当にそれが正しい答えなのだろうか?と思う自分がいる。

ミズキ自身、そんな自分の感情をもてあましていた。

穂積メイに出会って怒りを感じたし、お金を巻き上げられたというのに、抵抗する気が全く起きないのだ。

なぜ??
わからない。

リョウをイジメた主犯が目の前に現れたというのに、なぜこんな甘い考えでいるのだろう。

穂積メイが現れる前までは、

“リョウをイジメた人間は許せない……!”

そんな気持ちだったのに。


元から犯人を責め立てる気はなかったからだろうか……?

いや、違う。