そして俺は、そっと芽衣の小さな手を握った。




そしていつものように教室へ向かう。



俺達は同じクラスじゃない。



だから俺が芽衣を送ってから、自分の教室に行くんだ。



芽衣の教室に着いた。


いつもならここで、芽衣がぱっと手を離し


笑顔で『バイバイ』って手を振る。


でも今日は...手を離そうとしなかった。


俺は身をかがめ、芽衣の顔を覗き込んだ。

「芽衣...?」


すると、真っ赤に染まった顔で俺を見た。


っ?!

俺...なんかしたか?


なんでこんなに....照れてんだよ。



ったく...。


「廉っ」

「ん?」


「廉...お誕生日おめでとう!」

芽衣は少し照れながらも、いつもの可愛い笑顔で


俺を見てそういうと小さな箱を俺に差し出した。



....誕生日?




あっ。



すっかり忘れていた。



9月1日。





....今日は俺の...17歳の誕生日だ。