「リュージはリホちゃんがずーっと好きだったんだよ。そんなのリホちゃんだって知ってるじゃん。そりゃ言えないよ、あたしとリホちゃんじゃ勝負にならないもの。」


「勝負?勝負だって言うなら、勝ったんじゃないの?」


「勝った?」


「あたしと、リョウちゃんと、リュージは、リョウちゃんを選んだんだから。」


「違うよ、リホちゃんは、ヨッシーとつきあってたじゃん。リュージはリホちゃんを諦めただけだよ。」


立ち見券を買う列はえんえんと続いてる。

あたしはいつまで一対一でリホちゃんと話を続けなければならないんだろう。

リホちゃんは、質問攻めでどんどん周りを固めてく。

あたしが、どこにも逃げられないように。