ヴーヴー


……………。


ヴーヴー


…うー…うるさい…


ヴーヴー


いつの間にか寝てしまっていた私はしつこく鳴る携帯のバイブで目が覚めた。



………。

完全には覚醒していない意識で携帯を見る。


着信 美菜


その表示を見て一気に覚醒した頭。


「もしもし!?」


「彩音アンタどこにいるの!?もうとっくに集合時間過ぎてるわよ!先生達探しに行ったんだけど!?」


携帯越しに聞こえるのは美菜の怒鳴り声。


慌てて時計を見た私は一気に血の気が引いたのがはっきりと感じられた。
それと同時に背中に伝う嫌な汗。


―3時50分―


柾樹が起こしてくれと言った時間は3時。


50分もオーバーしてるし!


「ごめんっ!わかった!ありがと。すぐ行くから!」

それだけ言って私は電話を切った。

ヤバい!ヤバいヤバいヤバいよっ!


「柾樹!起きて!もう4時になるよ!」

気持ち良さそうに眠る柾樹の体をゆさゆさと大きく揺さぶって起こす。


「…あ?」

少し眠そうな不機嫌な声。


「ごめん!私寝ちゃって。もう集合時間過ぎちゃってるの!先生達も探してるって美菜が…」


「は?マジ?」


柾樹は勢いよく起き上がり時計を見た。
その眉間にはみるみる内に皺が…


「ごめん…」


起こしてって言われてたのに一緒になって寝ちゃうとかバカだ。大バカだ。

柾樹の顔は見れないから視線を下に下げて謝った。


「……もういいから行くぞ」


柾樹の呆れにも似た声を聞いた私はそのまま腕を引かれて部屋を後にした。


…なんで私ってこうなの?