【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤


ありえない歓声が響く体育館。その狂喜的にも思える声はだいたいが彼宛。


端に座る敗退した男子の一部からは冷ややかな目線とその歓声に乗っかるように茶化す声が聞こえる。


私も多分これが彼じゃなかったら冷ややかな目線を送るだろう。


だけど残念な事に聞こえる声は

「榎並君頑張ってー!」


「キャー」


「榎並君カッコイイ」


とかばっかり。
そんな声が響いている。


やっぱり柾樹はモテる。
間違いなくモテる。



例えばこの歓声をあげる子達の中の誰かと柾樹が付き合ったら……嫌だ。


…かなり嫌。
絶対後悔する気がする。


そんな光景を想像しただけで胸がぎゅうっと締め付けられる。
…やばい。私重症…



だから、頑張らないといけないんだ。