体育館に着く頃にはすでにそこは他の生徒で溢れかえっていた。
はしゃぐ生徒たちの顔つきは何とも楽しそうで運動音痴な私でも少しわくわくする。
男子はバスケとサッカー。
女子はバスケとバレー。
チームは部屋割と一緒で、それぞれ分かれた。
私のチームはバレーで柾樹と悠士君はバスケみたいだった。
私達は2回戦で7組に負けて今は観戦中。
女子のバスケも初戦で負けたみたいだから観戦している。
私のチームは準決勝に勝ち進んだ男子バスケの応援をしていた。
「悠士って運動神経だけは良いのよね〜」
だけの部分をやけに強調した美菜。
「なんだかんだで2人仲良いよね」
「まぁね〜ずっと近所だから仲良くもなるわよ」
いいな〜それって幼なじみみたいなやつでしょ?
私幼なじみっていないから美菜と悠士君の関係って憧れるなぁ…
「そんな事よりアンタはどうなのよ?」
1人つらつら考えていると不意に掛かる美菜の声。
「緊張するけど…頑張るよ?」
「なんだか今日は前向きね」
私の答えに満足したのかにっこり笑った美菜は手すりに寄りかかっていた。
「そりぁ前向きにもなるよぉ…」
私はそう言ってはぁっとため息をつく。
だって…ねぇ?


