食堂に着くと柾樹と悠士君が席を取っていてくれた。


「おはよー!」

「…はよ」


なんとも対照的な2人。
朝からも元気な悠士君と、低血圧柾樹。彼は今日も不機嫌そうだ。


眩しいのか目を細めている柾樹はそのままテーブルにダイブしそうな勢いで体が前後へと揺れていた。



「おはよ!」

美菜が2人に言う。
その声に閉じかけた瞳を開けてこちらに視線を向けた柾樹にどんな顔をしたらいいのかわからない。


「おはよ…」


極力そちらを見ないように不自然なくらいに悠士君の方を向いていた。



「今日はみんなで球技大会するんでしょ?なんでこんな所に来てまでそんな事を…」

美菜が面倒臭そうに言う。


「まぁまぁ、俺球技超好きなんだけど!!てゆーか体動かすのが好きなんだけど!?」

悠士君は目をキラキラさせながら話した。


「悠士君スポーツ得意そうだしね。私なんて全然…」

自分で言うのもなんだけど運動音痴なんだよね…

自分でもしょげる運動能力のなさ。
なんでこんなにスポーツできないのか。たまに自分を呪いたくなる。



なんて考えながら摂った朝食の味は意識的にずっと柾樹とは話さずに美菜や悠士君と話そいとしたせいで全く覚えていなかった。