「みんなで作ったシチューおいしかったねぇ」

「そうねぇ〜久々にシチュー食べたけどおいしかったわ」

美菜は私が洗った食器を拭きながら言う。



「あれッ!?まだ食器洗い終わらないの?」

テーブルを片づけていた悠士君は片づけ終わったのか洗い場の淵に腰掛けている。



「もうちょっとで終わるから待って!」


「俺早く風呂入りたいんだけど」

せっせとお皿を洗う私の真横にいつの間にか来ていた柾樹。



いきなり現れないでっ!
ちょっと吃驚して肩を揺らす私を見た柾樹は私に背を向け微かに肩を震わせていた。


………
バレてるから。
笑ってんのバレてるから!!

ちょっぴりムカついたから水をひっかけてやったらデコピンされた。



「あんたら、少しは手伝いなさいよ!」


「「なんで俺が…」」


美菜の女王様な言葉に柾樹と悠士君は見事にハモりながらも私達が洗った食器を片してくれた。


あら優しい。


4人でした片付けは速攻で終わって、はそれぞれの部屋に戻った。



「今日7時から大部屋に集合変更になったんだって!」

部屋に帰る途中悠士君がいきなり言いだした。


「何のこと?」

「レクリエーションがあるってしおりにも書いてるでしょ?」

きょとんとした表情の私に呆れ顔の美菜は大きくため息を吐きながら言った。


「相変わらずすっとぼけてんな」

「すっとぼけてなんかないから!」

すっごく人を小馬鹿にした柾樹のもの言いに私はさっきの出来事も忘れて怒りながら言った。


「いやボケてるでしょ」

「悠士君まで!」



え?なにこれ?いじめ!?
親睦を深める合宿でまさかのいじめ!?
私は美菜に泣きつきながら抗議した。


「ちょっといくら本当の事だからって彩音をいじめちゃダメよ?」


「美菜それフォローになってないぃ〜」

なかなか酷い事を言う美菜の横腹を私はつついた。


「ごめんって!あッ!お風呂の時私のお気に入りのシャンプー貸してあげるから許して?」

物で釣るとはなかなやり手の美菜。
…餌付けも得意だしね?
思い出すのはバスでの出来事。


「じゃぁまた後で!」

柾樹達との部屋の分かれ道で別れて、悠士君達は部屋に戻って行った。