15分後



ピンポーンと鳴ったインターフォンで私は玄関に行く。


ガチャ
扉を開ければ相変わらずの無愛想な彼。


「…おはよ。ご飯和食だけど大丈夫?」


「…おー大丈夫」


私の部屋で朝ご飯を一緒に食べて、一緒に学校に行った。





「おはよ。今日は柾樹君と一緒に来たんだ?」


教室に着くなり私に駆け寄って来た美菜はニヤニヤしながら言ってきた。


「うん…ばれた?」

そんな冷やかしに慣れない私は瞬時に顔が熱くなったのがわかった。


「おっ赤くなった!柾樹君の事好きになった?」


ケケケと笑いながら言う美菜は明らかに私をからかって楽しんでる。



「えっ…わかんないけど…」

戸惑いながらも、この状況にさらに顔が熱くなる。




「……そっかまぁゆっくり自分の気持ちと向き合いなよ」

最後にはからかい口調は終了して諭すような優しい口調で美菜は言ってくれた。



「……ありがと」

なんだかんだで良い友達に恵まれたのかなぁとぼんやり思っていると


「今日の5・6限は親睦合宿の説明するからちゃんと聞いていおくよーに」

入ってくるなりいきなりそう言った先生。

それより先に言う事は無かったのか…



もう班も美菜達と約束したし安心。と思いながら朝のHRは聞き流して終えた。


HRが終わって先生が教室から出ていくと、クラスの女子が柾樹の席にわらわら集まった。

…おぉっ
その光景に呆気にとられたのは私と美菜。


「はじめまして榎並君っ私ユキって言うの。よろしくね?」


猫なで声を出したユキちゃんとやらは柾樹の真正面を陣取って我先にと話だした。


やっぱりモテるんだな〜とか思いながら柾樹を見ていると、ユキちゃんと目が合い一瞬ものすごく睨まれた。………気がした。


「あっ!ねぇ親睦合宿の班一緒にならない?」


「…俺もう先約があるから」


今までの会話を聞いてなかったのかそれだけ言って柾樹は教室から出て行った。