「何またナンパされたの?」


一部始終を見ていたらしい修平さんは、何が面白かったのかクックッと喉をならして笑っていた。


「ただ酔っ払いに絡まれどだけでしょ」


「結構かわいいのにお前もったいない事するな〜」


厨房からさっきの女を眺めている修平さんは70点だな。と失礼な事に酔っ払い女に点数まで付けていた。



70点て…
なんか可もなく不可もなくの平均点的数字だなと。


そんな失礼な修平さんを横目に俺はかわいいなんて思いもしなかったと思った。






今日は客が多くていつも以上に疲れた。
と、言ってもバイト初めて1ヶ月も経ってない俺は比べる日にちがあんまりないんだけど。


いつもならコンビニで何かを買って帰るけどそんな気力さえもなかったから、そのまま家に帰る事にした。





鍵を開けて部屋に入る。
開けても何も入ってない冷蔵庫。


そんな事はわかっちゃいたけど腹が減った。



俺は携帯を開けて無意識に彩音に電話をしていた。



「もしもし?」


びっくりしたのか少し上擦った彩音の声が受話器から聞こえる。


「…お願いがあるんだけど…俺の部屋来て」


それだけを言ってさっさと携帯を切ってソファーに投げつけた。



ピンポーン


「こんな時間にどうしたの?」

電話を切って1分もしないうちに彩音が来た。


「…腹…減った…」