「えっ?」


少しびっくりしながらも私は今日作ったビーフシチューが鍋にあったことを思い出す。



「ちょっと部屋まで取ってくる!」


自分の部屋にシチューが入ったお鍋を取りに帰る優しい私。


…なんて。
作りすぎたから丁度良かったんだけどね。






柾樹がご飯を食べている間、私は柾樹の部屋のソファーでゴロゴロしていた。


「マジ悪かったな…」


「いいよ。私も一人じゃ食べきれないし」


少し申し訳なさそうな柾樹をちらっと横目で見やると、結構な量があったビーフシチューは3杯食べた所を見ると、もうあんまり無いように窺える。



……しかしよく食べるなぁ…
こんな夜中に食べたら太るよ?


男子は成長期だしそんなの関係ないのかな?


1人ソファーに座ってテレビの声を右から左に流しながら考えていると


「今度ちゃんと埋め合わせするから。俺風呂入って来るわ」


いつの間に食べ終わったのか、私の頭にポンと手を置いた柾樹はお風呂場に消えていった。