「本当…気の利く奴だな…」 柾樹は呆れたように、嫌みを込めて言ったけれど。 朝井さんは本当に気の利くいい人だよ。 何度朝井さんに助けられた事か。 私は朝井さんの気持ちには答えられないけれど、朝井さんには幸せになって欲しい。 「…そろそろ帰るか」 柾樹がそう言って左手を差し出したので私はその手をぎゅっと掴んでマンションへ帰った。 …幸せ。