柾樹は缶の音に驚いてこちらに振り向いた。 そして…目が合った。 柾樹は驚いた様な表情を浮かべたように見えた。 バッと彼女を離したかと思えば こちらにやって来た。 怒った様な表情をして。 「何やってんだよ…」 ひどく冷たい声に背筋がビクッとなった。 イラついたかのように組まれた腕。 その声に、その仕草に、その表情に…柾樹が怒っているのが伝わる。 朝井さんは私を抱きしめている手の力を強めて 「何って…別にお前には関係ないだろ」 柾樹にも負けないくらい低い声を発した。