彩音Side


「お疲れー」


「お疲れ様でーすっ」


9時で上がりの人が次々と事務所を出て行く。


「平山ちゃん?」


みんなより少し遅れて慌てて事務所に入ってきた朝井さん。


「…良かったーちゃんと待っててくれたんだ」


ロッカーの方に行き、ウェイターの制服から私服に着替える彼。



本当は帰ろうか迷ったけど、朝井さんにも言わなければいけない事があるから―…



「…は…い」


私は小さく返事をした。


「…とりあえずここじゃマズいから帰りながらでも話そっか…」


朝井さんは少し寂しそうにそう告げて事務所を出た。