「よかったぁー」 そう言いながら妃芽は俺に抱きついてきた。 回された腕が熱い。 俺の胸の中にいる妃芽からはふんわり甘い匂いが漂ってた。 …中学の時と同じ香り。 「柾君…私―…」 抱きついたまま下に視線を落としている妃芽は “まだ忘れられない” そう呟いて回した腕の力を更に強めた。 「…………」 俺の腰に回された手を剥がして俺は妃芽から離れた。 「俺…」