「良かった…」


そう言って妃芽はカクテルを一気に飲んだ。


オレンジの液体はまるでジュースのように妃芽の口に入っていく。


「…………」


妃芽酒飲めたんだ。
意外だなーと思いながらも妃芽の飲みっぷりに感心する。



「誰か私のカクテル知らなーい?」


ざわざわとした中一際大きな声で由宇が叫んだ。


「誰かが飲んだんじゃねーの?」


響が負けじと大声で答える。
あーうるせ。


この2人は他人の迷惑を考えないのか。


確かに騒がしい店内だけれど、2人の声のボリュームは異常だ。



「んー?もぅしょうがないなー………ってえぇぇえぇっ!?」

由宇は今日一番の大声で何ともしれない声を上げた。


マジでうるせぇよ…