カツ…ン


なんとも小さな音が響いた。


妃芽が打った玉は指定した枠にすら当たらず止まった。


その距離30センチ以上。



「…うぅーん…これ、難しいね」


まぁ当然と言えば当然の結果。初心者だし、力ないだろうし。


「ハイ、じゃぁ次俺な」


そう言ってニヤリと笑った響は絶対勝ちにくる。


…ほら。



手玉を4番の前に置き、ストレートでGETした響。
9も一緒に狙ったみたいだか、ギリギリセーフ。


その手つきを見て、あーあ
負けたなこれは。
確信した。



「響、ナイス!」


妃芽の横では由宇がはしゃいでいた。