「へ…なんで?良い人そうに見えたよ?」
ちょっと馴れ馴れしくて軽かったけど。
ってそんな事は友人の前では口が裂けでも絶対言わないけど。
「それよそれ!アイツの手口みたいなもんね。見かけに騙されちゃダメよ!」
美菜は腕を抱えて力強くまるで演説のように言い放った。
…見かけも何も、見たまんまじゃないか…とは言いませんが。
「な〜に人の悪口言ってんの?」
いきなり美菜の肩にもたれかかってきた悠士君が、ちょっとふてくされ気味な顔で言った。
「あら、本当の事じゃない。」
いきなりの悠士君の登場にも別段驚いた様子はなくて、悪びれもなく言い放つ美菜。
「イヤイヤ…人の事いえないじゃん。彩音ちゃんコイツこんな事言ってるけど俺とたいして変わらないから」
悠士君は美菜を軽く叩きながら言う。
「ちょっと!人聞きの悪い事言わないでくれる?私は一途よ!」
「ハイハイハイ」
美菜は悠士君を睨みながら言っていたけど悠士君は美菜を軽くあしらっていた。
なんか内輪ネタに入れずにポツンと佇む私。
………あれ、私置いてけぼり?


