「…ありがとお兄ちゃん」 私は車の中でお兄ちゃんに翼に会わせてくれた事にお礼を言った。 「いや…俺の方こそなんか悪かったな。何も知らせずに会わせて」 お兄ちゃんは頭をガシガシと掻きながら言った。 「ううん。翼に会えて良かった」 あのまま会わない事だって出来たのに、わざわざ私に会って昔の事を謝ってくれた翼。 …私の中のしこりが少しとれた気がした。 「そか。翼も根はいい奴だからな」 「知ってるよ」 そう答えれば“だな”って笑ったお兄ちゃん。 だって私は翼と付き合ってたんだから…