そこには


「……ツバサ?」


「あ、咲哉さん。彩音…久しぶり」


私の声で振り返った翼。
アッシュブラウンの髪は相変わらずのくせっ毛。
人懐っこそうな顔は今も変わらないのにどこか陰ってる。




「…どういう事?」


「……俺のバイト先の後輩なんだ」


お兄ちゃんに問い詰めればそれだけ答えて煙草に火を点けた。

そんな事きいてるんじゃなくて!!



「なんでお兄ちゃんが私と翼を会わせたのかって事!」


店内に響くほどの声で言った私を翼とお兄ちゃん以外の人が見る。