美菜Side
教室を勢いよく出た私は猛ダッシュで学校を後にした。
とりあえず彩音に電話をする。
…プルルルルル
プルルルルル―
プルルルルル…
…出ない…
鳴り響くのはコール音だけ。
一回電源ボタンを押してもう一度電話したけど出ない…
彩音に繋がらない携帯を閉じて私はとりあえず彩音の家に行った。
「はぁはぁ…」
ひたすら全力で走った私は相当息が上がっていて、エントランスでマンションの住人に怪しげな視線を向けられた。
でも今は恥ずかしいとか何とか思ってる場合じゃない。
一呼吸置いて彩音の部屋まで駆け上がる。
部屋の前まで来た時部屋から彩音の声が聞こえた気がした…。
今のって……悲鳴?
私は焦って彩音の部屋のインターフォンを鳴らしまくってドアノブをまわした。
だけど彩音は出てこない。
「彩音っ!中にいるんでしょ?私!!美菜だけど開けてくれる?」
私は近所の迷惑も考えずにドアを叩きながら大声で彩音の名前を呼んだ。


