【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤


未だに静まり返る教室内。


「………」


「………」


あんな柾樹を見たのは初めてで、俺も美菜もびっくりしてしばらく声が出せなかった。



「…大丈夫か?」


とりあえず俺はさっきから固まったままの美菜に問い掛けた。


「だ…い…じょうぶだけど…柾樹君大丈夫かしら?」


「アイツも相当きてるんだろーな…」


呆然としたままの美菜が心配するのはあの2人の事。
どんだけ面倒見がいいんだか…
お前、殴られそうになってたじゃねぇか。


「…私ちょっと彩音の家に行ってくる!」


美菜はそう言って荒々しく鞄を引っ掴んで、手に取った。



「はっ!?授業は!?」


「パス!」


そう言うが早く美菜は教室から飛び出して行く。


美菜が教室から出て行ってから俺は柾樹を探しに行った。


…っとにどこ行ったんだよっ!!