「ちょっと待って柾樹ッ!私…嫌がらせとかされてないからっ!」 今にも泣きそうな顔しながら彩音は俺に駆けより、必死に言う。 「だったらこの傷は何なんだよ?」 いつまでも俺には嫌がらせをされてないと言い張る彩音にだんだんイラついてつい語気が荒くなりながら腕を掴んだ。 彩音は目を丸くして掴んだ腕を隠そうとしたけれど、俺は離さない。 ぐっと掴んだ腕には無数のキズ痕… 腕だけじゃない… 足にも…よく見たら顔にも引っ掻き傷みたいなのがある…