彩音は昼からの授業にはちゃんと出ていた。
でもやっぱり学校で俺に近づいて来る事はなかったし、もちろん話す事もなかった。
だから話たくても話せなかった。
「あの…ずっとここにいますよね?よかったら一緒に…」
「……俺、彼女待ってっから」
「あ…すみません じゃぁ…」
彩音のバイト先前で声をかけられそう告げれば、女はそそくさと去って行く。
はぁー…俺何してんだ?
時計を見るとまだ9時だった。
彩音がバイト終わる時間は10時だからあと1間はある。
本当は家で待ってても良かったんだけど朝井の事も気になるし早く話したかったってのも理由。


