「なんでそんな不機嫌なの?」
せっかく起こしてあげたのにそんな怖い顔されたら悲しくなるじゃん。
口をふくらませて怒っているアピールをして柾樹を見た。
「朝はいつもこうなんだよ」
しっしっっと手を動かして更に不機嫌そうな顔で言われて扉を閉められる。
なっ…何あれ!!
そんな不機嫌な顔することなくない?
柾樹の家の前でキーっとなって閉まりきった冷たい鉄の塊を睨んだが、扉が再び開く事はなく。
………帰ろ。
なんかムナシイ。
部屋に帰った私は残りのご飯をたべて歯を磨いて家を出た。
1階に降りるとそこには丁度学校に向かう柾樹。
…遅刻すれば良かったのに。
なんて思ってもあの不機嫌を見た後じゃとてもじゃないけど言えないチキンな私。
真新しい制服は柾樹も一緒で、そんな姿を見たらやっぱり大人っぽく見えても高校生なんだなって笑えた。
もう機嫌悪くないかな?
思いながら恐る恐る柾樹に話掛ける。
「おはよ!学校まで一緒に行かない?」
さっきの事は水に流してあげて笑顔で問いかけた。
「…お前が俺の早さについてこれたらな」
そう言った柾樹はものすごーい早歩きで歩きだした。