「ううん。何もされてないよ。だって…」


“朝井さんが助けてくれたから”

言いそうになったけれど、朝井さんはなんだか黙ってて欲しそうだったから言うのをやめた。



「とにかく!大丈夫だったから。ゴメンね?心配かけて」


「…なんかされたらちゃんと俺に言えよ?」


「うん。ありがと…あっ!授業行かないと!!」


授業に戻ろうとした時柾樹に腕を掴まれた。
勢い余って前のめりになる身体。


「もう授業始まってんじゃん?…サボんねぇ?」


「うん…そだね…」


確かに授業始まって大分経ったと思うし、今更授業に戻ったら注目される…と思い柾樹の提案に頷き屋上に行った。