「行こっ!」


彼女達は朝井さんに吃驚したのかそう言い捨てて去っていった。



「平山ちゃん大丈夫?」


優しく頭をぽんっと撫でてくれた朝井さん。


その瞬間緊張の糸が切れたのか頬に伝う涙。




「…すいませっ…涙が…」


「怖かったんだろ?もう大丈夫だから」


「ありがとうございます。でも朝井さんなんでここに…」


「あ~…ここ俺のサボリ場所(笑)」


サボリ場所…?
こんな人気のない所が…?
いや、人気がないからサボリ場所なんだろうけど…


「彩音!」


どこからともなく柾樹の声が聞こえてくる。
その声はだんだんこちらに近付いていて


「…じゃぁ今度から気をつけるんだよ」


人差し指を立てしーってしながらその場を離れた朝井さん。




「彩音!大丈夫か!?」


私の姿を見つけた柾樹が駆けつけて来た。


「あ…うん…大丈夫だよ…」


「そっか…何かされたか?」