教室に戻って彩音と美菜の所に行く。
教室では俺と彩音を見てヒソヒソ話しているのが聞こえる。
好奇の目に曝されている彩音はどことなく居心地が悪そう。
確かにその話をしている大半が女子だ。
…見てんじゃねーよ。
ギロリと睨むと一瞬静かになる。
「今日彩音バイトだっけ?」
「…ううん」
周りの目を気にせずに聞いた俺の目も見ずに、かなり小さな声で言った。
こりゃ美菜に俺と同じような事言われたな…。
「じゃぁ今日一緒に帰る?」
「………うん」
一瞬躊躇した彩音はそれだけ言ってさっさと自分の席に戻ってしまった。


