テーブルを見ると、いつの間にかご飯が出来上がっていた。


と、いうか時計の針が1周していた事に今更気付いた。


「もう私一人で食べるから」


「ごめんって寝てたのは悪かったから」


一人でご飯を食べだした彩音に慌てて俺は謝る。



「……もうわかったから早く食べて」


まだ少しむーとした彩音だったけれど、ここはお言葉に甘えて飯を食い始めた。




…普通に美味いし。


彩音は俺に感想を聞きたいのかじっと俺の顔を食い入るように見ている。


料理本当に上手いんだ…とか思ったけど怒りそうだから敢えてそこは言わないで


「ハンバーグ美味いね」


とだけ言っておいた。



「マジで?良かったー!料理家族以外の人に食べさせたの初めてでちょっと緊張したんだー」

嬉しそうに言う彩音を見て俺も思わず笑みが漏れる。


それから俺達はメシを食いながらいろんな話をした。



「じゃぁ柾樹も青山高校なんだ〜」


嬉しそうに目を輝かせて言う彩音は第一印象よりも少し幼く見える。


「うん。まさか高校も同じとはな」


ちょっとびっくりした事は顔には出さないで俺は言う俺はいわゆるポーかフェイス。


「うんうん!超びっくり!!ちょっとすごくない?」


興奮気味な彩音は“運命”とか口にしそうだった。