Side柾樹




そいつは言いたい事を言って踵を返してスタスタと行ってしまった。



「なん…なんだあいつ…」


言い表し様のない、いらつきを覚えた俺はただ呆然とそいつの後ろ姿を見ていた。



あいつ彩音の知り合いか?
彩音が泣いてたとか言ってたな…



……何にしろあいつが彩音に好意を持ってる奴だという事だけはわかった。


てか泣いてたとかなんであいつが知ってんだよ…


なんであんな軽そうな奴にんな事言われねーといけねーんだよ。


「チッ」



とりあえず俺は彩音を探す事にした。
あんな奴に言いたい事言われっぱなしとか気にくわねぇんだよ。