Side朝井


屋上を後にした俺は複雑な気持ちになった。
学校とバイトが一緒の平山ちゃん。


美人だとは思ってた。


クラスの奴もバイト先の男も彼女を狙ってる。
クラスの奴らにバイトが一緒の事を伝えたら羨ましがられたのは記憶に新しい。



実際俺が出会ってきた女の子の中では………1、2を争うくらいかわいいだろう。



あえて名字で呼んでいる。


それはなぜか?



あまりにも似すぎたあの子を好きになってはならない事くらいわかっているから。


俺なりの一線の置き方。



そんな誰をも惹きつける彼女に好きな奴がいる事は知っている。


…もちろん、相手が誰だって事も。