「ん…」


啄むようなキスから徐々に深くなるそれは私の口をこじ開けて奥へと。


ソファーに押し付けられるような体制になった私は、キスし続ける柾樹に聞けない。



聞きたいけど聞けない。



キイテドウナルノ?


“ただしたいから”


またその言葉を聞いた私はどうするの?

…どうなるの?


聞く事で今の関係が壊れるなら………

それを恐れた私は流れに身を任せるしかなく、柾樹に身体を委ねていた。




柾樹の手が私の胸にきてあ、ヤバい…と思った時







私の携帯が鳴った。






「…悪ぃ…俺帰るわ」


柾樹は私の上から瞬時にどいてそのまま部屋を出て行く。



ホっとしつつも少し寂しい気分になった。
そんな矛盾した気持ちには自分でも戸惑った




鳴り続ける携帯を雑に掴んでそのまま電話に出た。



「……はい?」



「彩音!あんた元気にしているの?全然連絡してこないじゃない。心配してたのよ」


電話の相手はまさか、まさかのお母さんだった。


「あ…ごめん…いろいろ忙しくって忘れてた。元気にしてるよ。そっちはどう?」


確か最後に電話をしたのは合宿前だったから、その日は久々に母と長電話をした。



もやもやした気持ちを胸に秘めたまま。